同級生が登山仲間と登るけど一緒に行こうよ、と以前から誘ってくれていたので、先月6月の最後の日曜日に初めて行ってきました。
ヒバ山が何処で、どんなコースかなんてなにも下調べもせずせずについて行きました。
去年初めて富士山登山に参加するもの、早々に離脱しました。背負った荷物の重さにクラっときて転がってしまう程の初心者です。
今年も腰の調子も不安ですが、行くと決めたからにはと思っていました。
ヒバ山は冬場は「県民の森」で親しまれているスキー場です。入り口に宿があり、コースもなかなかの人気スキー場です。
そこが夏場は登山客で賑わうとは知りませんでした。
7:30分に集合して現地まで2時間。
9時半過ぎに出発して、上で食事して2時半過ぎに降りてきました。
そこから宿のお風呂に入浴して、3;30に出発、6時前に帰宅しました。
行きの車で何キロくらい歩くの?と聞いたら4キロくらいかなぁ?と曖昧。
初心者の私に合わせて緩やかなコースと聞いていました。
緑も鮮やかだし、鳥の声も心地良い。水の流れも聴こえた。
熊笹の葉が柔らかくて綺麗なのにびっくり。
笹団子にしたら美味しそうだなぁ。
だんだん空気に湿気が籠って、宮崎駿の世界。
原種の様な紫陽花もある。景色も変化していく。
凄い湿気だと思った。
薄ぼんやりとした感じでカンカン照りではないのに、滝の様に頭から汗が流れ落ちて、目に入って沁みる。帽子被るので長い髪をゴムで括って下げていると汗であちこちに髪が付いたり引っかかったり。
とうとう帽子を脱いで、手拭いで鉢巻に結び汗止めに。
すると、時々黒い虫が一斉に顔に襲って来る。目に入ったら痛いので入らないように必死で払い退ける。
でも汗で虫除けもクリームもとっくに流れ落ちて拭き取られている。重さを嫌って車に置いて来てるからもうどうしようもない。
1人賢いのがネット付きの帽子を被ってる。慣れてる!
頭の上に空が開けた様な原っぱで昼食。
友だちお勧めのカップラーメンにお湯を注ぎ、食べてみるとなんとも美味しいのです。びっくり。重いポットを持って来た甲斐があった。
買ってきたお結び一個食べて終わり。もう一個は食べれずお土産に。
さあここからは同じくらいの高さを横に歩いてる様だ。
同行の1人がもう1人に伊邪那美とイザナギの話を始める。
そういえばそんな神話があったなー、と思って聴きながら歩いていくと、何とその伊邪那美との神様の御陵が、祠がそこにあるではないか。
驚いた。確かにここは神話の国、出雲の文化圏です。まさかこんなところにあるとは驚きました。
聴いていたお話の途中で、決して見ないでください!と地中深い冥界に迎えに来たイザナギに伊邪那美は懇願する。
イザナギは了解して2人は地上に向かって上へ登って行くのだけど、イザナギはどうして見てはいけないのか?何か異臭がするのも気になって振り向いてしまう。
そこには愛しい伊邪那美の姿とは似ても似つかない冥界の伊邪那美の姿が。
見ないで下さいとあれほどお願いしたのに!あなたは見てしまったのですね。もうあなたを返すわけにはいかない!とイザナギを追いかけて来る。
イザナギは驚きと恐怖に震えながら必死に地上へと戻ろうとする。いよいよ地上に着きそうな時追いつかれそうになったイザナギは桃の実を取っては伊邪那美たち冥界からの追手に投げつけて這々の体で地上界へと戻って来るというお話しだった。
仲の良い地上に初めて生まれた男女の神様の悲しいお話しだった。
聴きながらその伊邪那美の五稜に来たのだと思うと少し気の毒な様な気がした。
どうして物語にある「決して見ないでください。見てはいけない。」と女性が言うのに男性は見てしまうのだろう?と。
初めて神様の御陵を見たのだと思う。
多くの神社に行ったけれど、五稜は初めてなんじゃないかと思う。
神話の世界の頃って、まだ世界が混沌としていたのか?と思いながら歩いた。
次は道は下に。
忘れ物、落とし物して戻るなんて出来ないぞ!と。
私はひとりヨロヨロでした。皆様涼しい顔でさっさと風の様に降っていく。ひゃー、置いてかないで!と必死でついていく。
少しづつ空気が乾いていく。
さっきまでの世界が別次元の様。
しんどくてたまらないくせに、ひたすら脚を運ぶ。
でも思うようなスピードで進まない。
疲れが溜まっているのがわかる。言葉もだんだん出なくなる。
やっと下まで降りて来た時は心底安堵した。
あと少しで出発した車の所。タタラに関する案内もあった。
だけど、心は既にお風呂に向かっている。
早く解放されたいー!足はガクガク。喉はカラカラ。リュックが重たい。
早く、早く、お風呂に入りたい!
もう神話の世界の事など忘れてる。
まだまだ山ガールにはなれそうもない今日の山登りでした。
今日も最後まで読んでくださっててありがとうございます。