11月2日に、JR山崎駅の近くにある聴竹居のイベントに行きました。
聴竹居は近年重要文化財に指定された建物で、日本で初めて環境工学の視点を取り入れた藤井厚二の建てた彼の自宅であり実験住宅です。
広島県福山市の出身で東京帝国大学で建築を学び、竹中工務店に勤務し、後に同郷の武田五一と共に京都帝国大学工学部建築学科を創設し教鞭をとっていました。
初めて行った聴竹居は、隅々まで藤井の考えを具現化した合理的で素晴らしい住宅でした。
アルミサッシよりも隙間風を通さず、明るい光に満ちたサンルームに小上がりのある畳の間は居間の椅子に腰掛けていても同じ視線の高さを保ち、独自の照明器具も明るさを無駄なく美しく使いこなしています。
通常は見学は予約制で1時間ほどの入れ替え制ですが、今回の「愉しむ会」はゆっくりと邸内の説明を聴き自由に観て周り、まるでそこで生活しているかの様に腰掛けて特製長竹居弁当を食べ、ゆっくり過ごせます。
また特別講師の講話会もありというたっぷり愉しめるイベントです。
今回の講話会特別講師は、建築家東利恵氏でした。
星野リゾートの設計を多く手掛けている方です。
https://images.app.goo.gl/vvfnaDFDHuJHs2NX7
http://www.azuma-architects.com/
10代の頃、当時のピンクハウスやニコルのある通りに小さくてお洒落な三階建ての住宅を見つけました。
都会の街並みの中でもひときわ印象的だったのでずっと覚えていました。
後のなって、有名な建築家の自宅(ある意味実験住宅ですね)だと知りましたが、誰とまでは覚えていませんでした。
そして今回、その家はこの東利恵さんのお父様の設計で「塔の家」と呼ばれている事を知り驚きました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%94%E3%81%AE%E5%AE%B6
あのお家に憧れていましたから東さんのお話を聴けて、その人柄も魅力的なことにとても嬉しく思いました。
建築の事は何もわかりませんが、実際に行って触れてみると藤井厚二の住宅設計は実に合理的で快適な住宅なのです。
今から90年も前にこんな住宅が建てられていたのに、現代の日本の一般住宅のなんと貧しいことでしょう。
多くの人は知らないのです。住宅という一生に1度の大きな買い物が、こんなに違うという事を。
90年という歳月にも色褪せることのない日本の木造家屋は大切に代々引き継いでいけることを。
電化製品の進歩は著しいものであっても、そもそも日本の木造建築の完成度は非常に高いという事を。
藤井厚二の残した住宅はそんなに多くはないのです。しかし、現存する住宅の多くは今でも実際に使われています。
現代美術の有名なギャラリーにもなっている魅力的な建築なのです。
八木邸
http://kourien.info/topics/scene/yagitei-kokai/
小川邸
http://yoshiyoshi4.blog2.fc2.com/blog-entry-44.html
浜口邸
後山山荘
機会を作って是非こういう近代建築の住宅をご覧に下さい。
楽しんで住宅に活かせるアイデアを見つけることが出来ると思います。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
https://623ch.com/archives/3185
https://623ch.com/archives/3598